鹿児島大学 法文学部 大前研究室 にじいろタウン  JAグリーン鹿児島  「手軽さ」「費用節約」「失敗の回避」のバランスがとれた管理方法を提案します
ダンボールコンポスター解説ページココがツボ!
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設置 投入物 防虫 失敗
ノコクズ利用の推奨、基材の水分調整などについて言及していきます。

基材ページの目次 ノコクズの有効活用 腐葉土の役割 ピートモスの利用 水分調整


ノコクズの有効活用 〜基材に必要な要素を全て持ち合わせています
ココがツボ! (当研究室推奨内容) 解説、実証データ、経験則 (推奨理由) 補足情報
★基材はノコクズの利用がベストです。
★土壌微生物補給を目的に、腐葉土を少量加えます。
★安価ないし無償で入手可能です。

基材に好気性の土壌微生物を生息させ、土壌微生物の活動を利用して生ごみを分解させるます。 ノコクズは微生物の繁殖条件を満たしており、安価で入手できることから、当研究室ではノコクズの使用を推奨しています。

製材所、ホームセンター、スーパーマーケットなどで入手できる可能性があります。 また、JAグリーン鹿児島では、ノコクズ単体の販売も行っていますので、安価に購入が可能です。
基材は微生物の増殖に適した環境を提供できる必要があります。 また、微生物にとって難分解であることも重要です。 基材の分解が進むと物理的構造が壊れて通気性が保てず、水分調整や酸素の補給が難しくなるからです。 基材をどんどん追加する必要も生じ、コストの問題につながります。

基材として備えているべき要点は、以下のようなものです。
  1. 保水性に優れていること
  2. 通気性に優れていること(酸素を抱き込めること)
  3. ほぼ中性であること
  4. 難分解であること
  5. 入手可能であり、かつコストがかからないこと
ノコクズはいずれの条件もクリアしており、工夫すれば無償で手に入ります。

なお、電動かんなクズや木質チップは、ノコクズほど使いやすくありません。 当研究室では、基材のメイン材料にはしないことを推奨します。
一般にコンポスターの基材としてよく利用されているのは、ピートモスやもみ殻くん炭です。 しかし、ノコクズは廃材であり、高価でもなく、製材所・ホームセンター等様々な場所において入手可能です。

環境のことを考えたとき、価値のあるもの(有価物)を使うよりも、 より価値のないもの(廃棄物)を活用し、それを価値ある資源に作り替えていった方が好ましいといえます。

気軽に、安価にダンボールコンポスターを始めていただきたいので、当研究室はノコクズの活用を強く推奨しています。

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腐葉土の役割 〜発酵の種菌(スターター)として利用しますが、実は・・・
ココがツボ! (当研究室推奨内容) 解説、実証データ、経験則 (推奨理由) 補足情報
★確実に土壌微生物を繁殖させる意味はあります。
★腐葉土を投入しなくても分解は進みます。

腐葉土には豊富な土壌微生物が含まれているため、スタート時点では腐葉土の添加をオススメしています。 しかし、土壌微生物はどこにでも存在しており、野菜や果物のくずに付着していたり、そもそもノコクズにも含まれているものと思われます。 つまり、腐葉土を添加しなくても、分解速度に若干の遅れがあるものの、生ごみを分解させることが可能です。

もし皆様のダンボールコンポスターが安定的に生ごみを分解できるようになったなら、基材には環境に適した土壌微生物が大量に繁殖しています。 次回からは、腐葉土ではなく、自分自身のダンボールコンポスターの基材をスターターとして下さい。
失敗を回避するために、初めてダンボールコンポスターに取り組もうとする際には、ノコクズに腐葉土を加えるようにお願いしています。 2回目以降は、前回のダンボールコンポスターの基材がスターターとして最適です。 また、ノコクズ継ぎ足し法(必要な堆肥をその都度使い、使った分だけノコクズを補充する方法)も同様で、増殖している土壌微生物を継続して利用しようとする考え方です。

家畜排泄物や食品残さを大規模に堆肥化する際にも、完成した堆肥を戻すことによって土壌微生物を添加します。 これを「戻し堆肥」などと呼んでいます。
腐葉土は、園芸店等での購入が手軽です。 落ち葉が積もっている場所に行けば、腐葉土を簡単に手に入れることも可能です。 腐葉土の代わりに、市販の堆肥を使うことも、もちろん可能です。

堆肥づくりでは、特定の微生物を利用するとの考え方はとりません。 様々な微生物がリレーのように役割を分担し、堆肥を完成させるのです。

微生物は、環境に適合すれば増殖し、不適合であれば駆逐される方向に向かいます。 高度に管理された環境下では特定の微生物の活用が可能です(例えば、特定の乳酸菌でヨーグルトを作る)が、ダンボールコンポスターは環境に対してオープンです。 置き場所や基材の状況、投入物に適した微生物群が増殖し、ダンボールコンポスターが成立することになります。 したがって、戻し堆肥の考え方には合理性があることとなります。
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ピートモスを使用する場合 〜もみ殻くん炭は必須ではありません
ココがツボ! (当研究室推奨内容) 解説、実証データ、経験則 (推奨理由) 補足情報
★ノコクズが入手不能の場合、ピートモスを活用します。
★もみ殻くん炭は必須素材ではありません。

当研究室ではノコクズを推奨しますが、もしも皆様の近隣で入手できない場合は、入手の容易さからピートモスが活用できます。

インターネット上の情報を見ると、ピートモスにもみ殻くん炭を加えて基材とする解説が多いのですが、 ピートモスがもともと強い酸性を示すため、もみ殻くん炭を入れることで中和することが目的です。 炭化物は多孔質素材であるため、微生物の増殖に有利との理由もあります。

しかし、中和処理されたピートモスであれば単体で基材として利用できます。 もみ殻は廃棄物ですので、例えば自家製造できる場合はもみ殻くん炭の活用に合理性が生じますが、園芸店で購入してまで利用する必要はありません。 もみ殻くん炭は比較的高価で、コスト的な優位性はありません。

園芸資材を取り扱う商社、小売店に電話で確認をしてみました。 市販されているピートモスの多くは石灰で中和処理されている、との回答でした。

ただ、酸性を好む植物を栽培するために中和処理されていないピートモスも流通しているため、気になる場合は店員さんに確認をとってみて下さい。

なお、ピートモスとは、コケ類が発酵分解された残さ物(腐植)です。 木材のように人工的に再生産されるものではないため、資源としての有限性も問題となり得ます。
もみ殻は白米部分(米の胚)や胚芽を守る役割をしており、難分解物質として有名です。 そのままでは利用しづらい素材ですが、蒸し焼きにするとくん炭となり、堆肥化や園芸等で利用価値が高まります。 しかしながら、比較的高価な素材であるため、安く入手可能・自作可能でないならば、使用しない選択を推奨します。

また、もみ殻は水分を吸収しない素材ですので、そのままでは基材としての利用もできません。

廃棄物の再利用、また自家製造等低コストでの調達が可能ということでなければ、もみ殻くん炭の利用は考え直すべきだと思われます。
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水分調整をしましょう 〜 目安は"しっとりお団子"の状態です
ココがツボ! (当研究室推奨内容) 解説、実証データ、経験則 (推奨理由) 補足情報
★基本は"しっとりお団子"の状態に

基材の含水率は、手で握った時に"しっとりお団子"の状態になることを目安として管理して下さい。 パサパサと粉っぽいなと感じることもなく、またビショビショという印象でもなく、しっとりお団子が適切です。

運用開始時だけではなく、生ごみ投入中も、熟成期間中も、水分調整は必要です。 しかし、生ごみの80〜90%は水分であるため、生ごみ投入期間中はさほど神経質になることはないでしょう。 乾燥が進んできたなと感じたら、水を与え、再びしっとりお団子を実現して下さい。
基材が乾燥しすぎると、生ごみの分解速度は急速に遅くなります。 水分が多すぎる場合は、分解はむしろ促進されるものの、ダンボール箱がふにゃふにゃになり、崩壊の原因となります。

基材は、やや乾燥傾向に維持した方が、分解は遅くなるものの、管理が容易となります。 ダンボール箱の保護ばかりではなく、悪臭の発生抑制が期待できます(活発な分解がある場合、どうしてもアンモニア臭が強くなります)。
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