鹿児島大学 法文学部 大前研究室 にじいろタウン  JAグリーン鹿児島  「手軽さ」「費用節約」「失敗の回避」のバランスがとれた管理方法を提案します
ダンボールコンポスター解説ページココがツボ!
作り方 意義 容器 基材
設置 投入物 防虫 失敗
よくある失敗例を挙げ、その防止策・対処法を紹介します。

失敗ページの目次 分解が進まない 悪臭の発生 虫の発生 ダンボール箱が壊れた 基材温度が上がらない


分解が進まない 〜生ごみ投入量と水分量を調整しましょう
ココがツボ! (当研究室推奨内容) 解説、実証データ、経験則 (推奨理由) 補足情報
★生ごみの投入量を調整しましょう。
★「しっとりお団子」になるよう水分調整を。
★基材の寿命かもしれません。

それまでは分解されていたのに、目に見えて分解能力が落ちてきたのであれば、基材の寿命がきているのかもしれません。その場合は熟成へ移行します。
あまりにも多くの生ごみを一気に投入すると、分解が追いつかなくなる可能性があります。 分解されないまま残っていると悪臭や虫の発生原因にもなりますので、様子を見ながら生ごみ投入量を調整してください。

微生物の分解活動に適した水分量は、基材が「しっとりお団子」になるくらいです。乾燥しすぎている場合は、水分調整が必要です。

分解能力が落ちてきたと感じた場合は、分解(発酵)促進剤の投入を考えても良いでしょう。米ぬかを推奨します。手で一掴み程度入れるとよいです。
 ▲最上部に戻る


悪臭が発生したら
ココがツボ! (当研究室推奨内容) 解説、実証データ、経験則 (推奨理由) 補足情報
★基材の分解能力を見極めます。
★水分調整を乾燥気味に。

基材の分解能力が低下すると、生ごみが腐敗することがあります。 また、アンモニア臭が強くなってくることもあります。 これらは基材の寿命が来ているサインなので、熟成に移行させます。

生ごみ投入量が一時的に過剰な状態となっている場合は、しばらく生ごみの投入を中止します。 未分解物が少なくなると、平常に戻る可能性があります。

なお、基材の水分を乾燥気味に維持すると、分解能力は落ちますが、悪臭を抑制できます。
悪臭は虫が湧く原因ともなり得ます。 そのため、臭いのキツイ生ごみの投入は避ける、生ごみを基材の表面に出さないようにするなど、悪臭の発生を防ぐ工夫が大切です。

 ▲最上部に戻る


虫が発生したら 〜放置するという手があります
ココがツボ! (当研究室推奨内容) 解説、実証データ、経験則 (推奨理由) 補足情報
★生ごみ投入を中止し、防虫キャップを被せたまま放置します。

基材をごみ袋に移して密封し、直射日光を当て、高温処理する方法もありますが、完全に処理できない傾向にあります。

防虫キャップを被せたまま放置すると、ダンボールコンポスター内部で成虫となり、逃げ出すところがないため死滅します。 蓋を開けた時におぞましい感じがありますが、死骸も堆肥にしてしまいましょう。
防虫キャップの徹底により、ハエ類は防除可能です。 しかし、どうしてもアメリカミズアブの発生確率は高いのが事実です。

発生してから対応することは大変難しい側面があります。 したがって、防虫を徹底するとの考え方が最も正しいといえます。 ただし、アメリカミズアブは悪さをしませんから、気にならない場合は共存をお考えください。

ダニ類の発生については、不可避です。彼らも分解者として働いており、共存相手との認識が必要です。 そのため、設置場所は屋外限定と考えるべきです。

 ▲最上部に戻る


ダンボール箱が壊れたら 〜基材は継続使用可能です
ココがツボ! (当研究室推奨内容) 解説、実証データ、経験則 (推奨理由) 補足情報
★新しいダンボール箱にお引っ越し。

最初からすべて作り直す必要はなく、基材はそのまま利用していただいて問題ありません。
壊れにくいということから「プラスチックケースの方がよいのでは」との質問をよく受けます。 しかし、プラスチックは通気性がないため、酸素不足となり、基材や生ごみが腐敗する傾向が見られます。 ダンボール箱が長持ちするようにいくつかの工夫が可能です。 「作り方」「容器」「設置」のページを参考にして下さい。
 ▲最上部に戻る


基材温度が上がりません 〜温度は無視するくらいの気持ちで
ココがツボ! (当研究室推奨内容) 解説、実証データ、経験則 (推奨理由) 補足情報
★温度が問題ではなく、分解が問題。
★温度計は入れないことを推奨しています。

確かに、好気性土壌微生物による分解(発酵)では熱が発生します。 しかし、温度を上げることそれ自体が目的ではなく、生ごみの分解こそが目的です。 温度を過度に気にすることなく、生ごみが少しずつ分解されているのかどうかを注意深く観察して下さい。
ダンボールコンポスターに関する質問で最も多いものは、基材温度に関することです。 しかし、当研究室では、極端に表現すれば「温度は無視して下さい」と説明しています。 温度を気にしすぎる傾向が認められるため、「温度計は入れないで下さい」ともアドバイスしています。

ダンボールコンポスターは、最高品質の堆肥をあらゆる素材から作れるものではなく、ご家庭から排出される新鮮な生ごみ・ガーデニングくず等を処理する装置・技術です。 高温による殺菌や種子の死滅も期待すべきではありません。

投入した生ごみが腐敗することなく、徐々に分解されているようであれば、大成功だと考えて下さい。
生ごみが分解されると、アンモニアが生成されます。 アンモニアは亜硝酸菌によって亜硝酸となり、亜硝酸は硝酸菌によって硝酸に変化します。 この硝酸が植物にとって重要で、窒素肥料として効果を発揮します。

アンモニアは有毒で強い悪臭を示します。亜硝酸は猛毒物質ですが、通常は硝酸菌によって硝酸に変化するので、問題とはなりません。

この亜硝酸菌と硝酸菌は、高温での活性は弱くなります。 つまり、基材温度を上げようとすると、アンモニアは大量に生成されますが、硝酸への変化が阻害されることになります。 悪臭の発生につながるということです。

ダンボールコンポスターに取り組む1つの面白さは温度だと認識はしていますが、温度をのものを目的視した管理は間違っているのです。
 ▲最上部に戻る